【元鳶職が直伝】メジャーがなくても大丈夫!プロが日常で実践する「目測」と「身体定規」の極意

くらし

「あ、この棚にこのボックス入るかな?」

「ここの隙間、何センチくらいだろう?」

買い物中や模様替えの最中、手元にメジャー(コンベックス)がなくて困ったことはありませんか? 結局、「たぶん大丈夫だろう」と感覚で買って帰り、家で合わせてみたら数センチ合わずに絶望する……。そんな経験、誰しも一度はあるはずです。

実は、僕たち鳶職(とびしょく)の世界では、道具がなくても「だいたいの長さ」をピタリと当てる職人がたくさんいます。なぜなら、足場のスパンや高さを常に意識して動いているため、自分の体そのものが「精密な定規」になっているからです。

今回は、元鳶職の僕が現場で叩き込まれた、日常で使える「ものさしを使わずに長さを推測する方法」を徹底解説します。

1. 究極の定規は「自分の体」にある

プロの職人は、自分の体のサイズをミリ単位……とまではいかなくても、センチ単位で正確に把握しています。これを「身体定規」と呼びます。まずは、今すぐ覚えられる基本の3つを紹介しましょう。

① 手を広げた時の「あた」

親指と中指(または小指)をめいっぱい広げてみてください。この親指の先から指先までの長さを、古来日本では「あた」と呼びます。 成人男性なら約18〜20cm、女性なら約15〜17cm程度。これが一番使い勝手の良い定規になります。例えば、カラーボックスの奥行き(約27〜30cm)なら「あた1回半」と瞬時に判断できるわけです。

② 指3本の幅は「5cm」

人差し指、中指、薬指の3本をビシッと揃えてみてください。この幅がだいたい5cm前後になります。 「あとちょっとで入りそう」という絶妙な隙間を測る時、この指3本が入るかどうかは非常に大きな判断基準になります。

③ 肘(ひじ)から先は「40cmオーバー」

肘から中指の先までの長さは、多くの人で40〜45cm程度あります。 これはキッチンカウンターの奥行きや、少し大きめの収納ボックスのサイズを測るのに最適です。

2. 財布の中身は「予備のメジャー」

体だけではありません。普段持ち歩いている「あるもの」も、実は規格が決まっている立派な定規です。

  • お札(千円・五千円・一万円): 実は横幅がほぼ一定で、約15〜16cmです(千円札が15cm、一万円札が16cm)。「15cm定規」を持ち歩いているのと同じだと考えると、かなり便利だと思いませんか?
  • 1円玉: 直径がちょうど2cmです。これ、意外と知らない人が多いライフハック。小さなネジの太さや、家具の傷のサイズを説明する時に役立ちます。
  • クレジットカード: 長辺が約8.5cm。名刺もほぼ同じサイズです。

3. 【実践】鳶職流・空間を「ユニット」で捉えるコツ

現場では、いちいち細かい数字を追うよりも「基準となる塊(ユニット)」を空間に当てはめて考えることが多いです。

例えば、「A4コピー用紙(長辺約30cm)」。 これが頭に入っていると、壁の幅を見て「A4が3枚分くらいだから約90cmだな」とアタリをつけることができます。90cmといえば、一般的なドアの幅や半畳のサイズ。この感覚を持つだけで、空間把握能力は飛躍的に向上します。

また、スマホのサイズも絶対に把握しておくべきです。「私のiPhoneは15cm」と決めておけば、置くだけで即座に測定が完了します。

4. 自分専用「身体ものさし」を作ろう!

ここで、皆さんにぜひやってほしいことがあります。それは、一度だけメジャーを使って自分の体を測り、メモしておくことです。

以下のチェックリストを参考に、自分の数値を書き出してみてください。

【自分専用・身体定規リスト】

  1. 手幅(親指〜小指): ____ cm
  2. 指3本の幅: ____ cm
  3. 肘から指先まで: ____ cm
  4. 足の裏の全長(靴を履いた状態): ____ cm
  5. 一歩の歩幅(普通歩き): ____ cm

特に「靴を履いた状態の全長」を知っておくと、広い部屋の端から端まで歩くだけで「だいたい4メートルか」と分かります。これは不動産の内見や、庭のDIY計画でめちゃくちゃ重宝します。

5. まとめ:大切なのは「予想する習慣」

職人がなぜ正確な目測ができるのか。それは才能ではなく、「予想してから測る」という作業を何千回も繰り返しているからです。

今日から何かを測る時、いきなりメジャーを出さないでください。まずは「手幅で2回分だから36cmくらいかな?」と予想してから、答え合わせとしてメジャーを使う。これを繰り返すと、脳内の定規がどんどん研ぎ澄まされていきます。

道具がない不便さを、「自分の感覚を磨くチャンス」に変えてみませんか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました